[教育]少年刑務所の取り組み
1 少年院と少年刑務所の違い
少年刑務所は受刑者に対して刑を執行する施設です。少年院との違いを混同されがちですが、少年院は保護処分の1つである少年院送致によって少年に対して教育を行う施設です。少年刑務所は、犯罪を犯した青少年を裁判所が定めた刑に服させ、自分の犯した罪の重さや責任について充分な自覚と反省を促すとともに社会復帰をしたいという意欲を呼び起こし、それを手助けすることを目的としています。
2 少年刑務所の目的
少年刑務所では、青少年の受刑者一人ひとりが抱える問題性や生活環境に応じて,立ち直りに向けた計画を作成し、矯正処遇として職業訓練などの刑務作業に従事させることを主に、改善指導や教科指導等、さまざまな働きかけをおこなっています。「少年」と言うと未成年を想像しますが、その実情は16 歳以上26 歳未満の青少年の受刑者を収容しています。
3 「奈良少年刑務所」が社会に果たした役割
旧奈良監獄は、戦後の少年犯罪の増加を背景として、1946年(昭和21)年から「奈良少年刑務所」と名称を改められました。主に20歳未満で少年院への収容を必要とせず犯罪傾向の進んでいない少年受刑者(JA指標)、26歳未満で犯罪傾向の進んでいない受刑者(YA指標)を収容しており、豊富な職業訓練を青少年の社会復帰と更生教育を重視する矯正施設として、西日本における性犯罪再犯防止指導の基幹施設として性犯罪再犯防止プログラムを日本で初めて実施するなど、常に先進的な取り組みを実施してきました。